2024-06-30
兵庫県加古川市で35年営業してきた喫茶店が6月末、惜しまれながら看板を下ろすことになった。加古川町粟津の「禅」。香り高いコーヒーとともに、加古川名物かつめしも人気だったが、店舗と土地の買い手が見つかり、閉店することに。経営する高田まさ子さん(62)は「たくさんの人と出会えたことが財産。感謝の思いでいっぱい」と語る。(三浦拓也)
夫の偉志夫さんとともに1977年に開業した。静かにコーヒーが味わえる店を目指したというが、隣に県立加古川病院があったため、医師らのランチの出前などで連日大忙し。高田さんは「純喫茶のつもりが、いつの間にか食堂になっていた」と笑う。家庭的な店の雰囲気が親しまれ、常連客が増えていった。
2007年、偉志夫さんが64歳で他界。高田さんが店主となって切り盛りするようになった。評判のかつめしやカレーライスは、偉志夫さんが残したレシピを基に創業時からの味を守り続けた。
09年に県立加古川病院が同市神野町へ移転し、客は大幅に減ったが、常連客や、かつめしを食べに来る観光客に支えられてきた。また、2年前から店内に無料のギャラリースペースを設け、市民が絵画などを発表できるようにし、交流の場づくりにも取り組んだ。
しかし、病院跡地の整備事業が始まったことに加え、長年の常連客の高齢化もあり、閉店を決めた。3人の子育てをしながら無我夢中で働いた35年。高田さんは「元気でやってこられただけで幸せ。後ろは振り向かず、新しい生活のスタートを切りたい」と明るい声で話す。
ソースは神戸新聞
住所 | 兵庫県加古川市加古川町粟津763-1 |
アクセス | JR加古川駅から神姫バス乗車、県立加古川病院前下車すぐ |
営業時間 | 7:30~19:00 |
定休日 | 土曜日 |
HP | |
備考 |